ケータイ短歌の現場より(11) ケータイから見る短歌コミュニティ...2ちゃんねる、mixi、itokioの比較

パソコンをもっていなくても、ケータイからインターネットが見られる。便利な世の中になりました。いわゆる「ケータイ歌人」と呼ばれる世代は、このサービスの恩恵をうけた第一世代と重なります。もちろんパソコンに比べると画面は小さくて、機能もだいぶ制限されるのですが、ケータイのいちばんの利便性は、その名の通り「携帯できる」こと。旅行中でも、移動の電車の中でも、トイレの中でも(笑)、気になった情報をすぐに検索することができるんです。トイレでケータイする人、結構多いみたいですよ〜。
「勝手サイト」については以前の記事でも書きましたがソフトバンクケータイにyahooボタン*1がついてから、それまでケータイキャリアお奨めの「公式サイト」しか知らなかった人にも、だいぶ認知度が上がってきたのではないかな、と思います。そう、ネットを使いこなすには、まず検索サイトをブックマークするところからですよね*2


さて、インターネットの世界には、たくさんの人がアクセスする大きなコミュニティがいくつかあります。
有名なところでは「2ちゃんねるhttp://www.2ch.net/)」「mixihttp://mixi.jp/)」など。
2ちゃんねる」はテーマごとにカテゴリ分けされたスレッド掲示板が集まった巨大サイト。参加形態は基本的に匿名で、スレッドに書き込みをしていきます。「mixi」は招待制のSNSで、自分のプロフィールを提示し、興味のあるジャンルの「情報」や、友人→友人の友人、などの「人」をリンクしていくシステム。こちらは「2ちゃんねる」とは間逆の、パーソナライズなサイトとなっています。
どちらもケータイから参加・閲覧が可能です。
全体の大きさから比較するとささやかすぎるものではありますが*3、それらの中には短歌のコミュニティもあります。面白いことに、いくつかのサイトを比較していくと、その「匿名度」と作られる短歌の雰囲気が、コミュニティによってぜんぜん異なるものであることが見えてくるんです。


上記2サイトはパソコンからのサービスがメインですが、ケータイにも「2ちゃんねる」に似た形式の匿名掲示板サイトがあります。サイト名は「itokio(http://itokio.com/)」。
「itokio」はケータイ専門の掲示板サイト。パソコンからは閲覧のみで書き込みはできません。「2ちゃんねる」が純然たる匿名性(名前を伏せるという意味で)を重んじる風潮であるのに対し、itokioの特徴は固定ハンドルネーム(コテハン)を歓迎する傾向にあるのが特徴です。
こちらには「短歌」を冠したカテゴリはありません。「コトバ・詩・名言」という掲示板に、何件か短歌のスレッドが存在しています。


PCサイトとケータイサイトでの比較、匿名→ハンドルネーム→プロフィールを持つSNSでの投稿歌の比較。長くなりそうなので次回に、具体的に短歌を引用して読み解いてみようと思います。

ひとりみた夕焼けきれいすぎたから今日はメールを見ないで眠る(小島なお

歌集 乱反射

歌集 乱反射

大人びたうたと幼い口調のうたが揺れる、はたちの歌集です。



*1:yahoo http://www.yahoo.co.jp/

*2:ちなみに、google もケータイ対応されています http://www.google.co.jp/

*3:この「サイト全体:短歌コミュ」の比率が、一般人の短歌の認知度と考えると、短歌がいかにマイナーなジャンルかわかってもらえるかと思います