それを恋と呼んでもいいのかい?

恋をしています。
それはそれは切ない片思いなのです。
彼女の名前は原阿佐緒。今生きていたら119歳…。


若ければ女はかなし自らの知らぬに君を誘ひしてふ/原阿佐緒


いや、若くなくたって魅力的ですよ。
…119歳だとさすがに微妙かもしれませんが…。


彼女に出会ったのは『女歌の百年』という新書でした。

女歌の百年 (岩波新書)

女歌の百年 (岩波新書)


p.218からまるっと略歴を。*1


原阿佐緒(1888〜1969)
宮城県生まれ。肋膜炎のため高等女学校を中退。その後、17歳で上京、日本女子美術学校に入学。1909年「女子文壇」で与謝野晶子に認められ東京新詩社に入社。その後「アララギ」に入る。同門の歌人で物理学者・石原純との恋愛問題で「アララギ」を追われた後は歌作から離れる。歌集に『涙痕』『白木槿』など。


恋愛問題で破門ですよ…。映画版でハモンさんの苗字が変わってたり、妙な男爵が妙な波紋を出すくらい衝撃的。


でもね、写真見ると、とてもキレイなんですよ…。しかも、写真ごとに別人かと思うくらい別人。
こういうときは鼻で見分けるんだよ、とは誰に聞いたんだっけ?…うん、鼻は多分同一人物。かぎりなく多分だけど…。
オードリー・ヘップバーンに惚れた時もこんな印象だったな…。美女の条件かもしれない。当時の写真の質というのもあるけれど。


写真を転載するのはなんなので、原阿佐緒記念館のurlを。いろんな写真が見られます。パソコン推奨ですが、ケータイからでもどうにかなる…かな…。あとはケータイグーグルから「原阿佐緒」で画像検索してみてください。あとは…本を手にとるなりしてください。
http://www.haraasao.jp/


母親としての歌もたくさんあるのですが、この歌が好き。


枕並め寝し友も児もな覚めよこのさ夜ふけをしみ降る雨に/原阿佐緒*2


うんうん。
…なにが、うんうん、なのかはよくわかりませんが、文語は苦手なので解説はなしで。…あんまり母親の歌じゃないな…。
もっとちゃんと母親な歌あるんですけどもね。


百年の片思いもいいな、なんて思ったり思わなかったりする小春川英夫(いまだ独身、32歳)でございますが、今宵はここまでにしとうございます。


吾がために死なむと云ひし男らのみなながらへぬおもしろきかな/原阿佐緒


君のために死ねた心は新宿の夜の手前で生き延びている/小春川英夫

*1:数字は半角英数字に変えてあります。

*2:この歌は『近代短歌の鑑賞77』から引用しました。

近代短歌の鑑賞77

近代短歌の鑑賞77