はいけい ぼくの
夜だね。こんばん星は見えません。
小学校2年生のときのこと。
それってぼくらの出会うずぅっと前のことだけどきみにはそうぞうしてほしいんだ。
考えてみて。
七五三のあとにかみの毛をばっさり切ったくるくるのぼく。
ぼくは小学校2年生の生活の時かんに手がみのべんきょうをしました。
かわいらしいびんせんにきのうのテレビのことをいっぱい書いて、ふうをして、じゅうしょと名前をまちがえないようにふうとうに書く。
ただそれだけのことにぼくのむねはいっぱいでした。
小学校6年生にもなると文通あいてができました。
2年生の時とはちがう、ちゃんとした文通あいて。
今考えると小金井なんて近いけど、そのころのぼくには北海道も同じだった。
会えないものは、会えないんだ。
直に僕は君と出会う。
その頃、お互いがよく遊んでいたという街のことを僕は時々思う。
僕と君は出会う前に何度もすれちがっていたかもしれない。
もしかしたら、お互いに別の相手とデートしていたときにすれちがっていたかもしれない。
そう思うとくすぐったいような変な思いを抱えつつくすくす笑ってしまうんだ、つい。
時折あなたに手紙を渡すようになったのはもっと会えない時間を会える時間に変えていけたらいいのではないかと思ったからなのです。
趣味や特技が私達を埋めていくのではないでしょう。
もっと違う何か。
例えば会えない時間にあなたのことを思いつつ仕事をするときなんて、少し微笑ましい気持ちになるのです。
じゃ、また。
階段を急いで登る今きみははいけいぼくのキュートナをさけぶ
追伸 「ぼくのきみ」だとつけあがりすぎているし、「ぼくのこいびと」だと少し照れてしまうので、「はいけい ぼくの」でとめました。
私の関係がある人ということには変わりがないので、いいでしょう?
※参考文献 荒井良二「ぼくのキュートナ」
- 作者: 荒井良二
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