ケータイ短歌の現場より(2) テノヒラタンカ

■「テノヒラタンカ」は、短歌、イラスト、音とフラッシュ動画による新しい歌の表現を求めて作られたコラボレーションユニットです。■手のひらの携帯電話や歌集、PCなどへと発進される、小さいけれど広がりのある短歌ということから「テノヒラタンカ」と名づけられました。【公式サイト(http://tenohiratanka.com/)より】

テノヒラタンカは、天野慶さん、脇川飛鳥さん、天道なおさんの短歌と、アーティストたちのコラボレーションユニットです。
「コラボレーションって何?」。そう、テノタンを語るキーワードとして、「ケータイ」「コラボレーション」のふたつが大きくとりあげられると思います。*1

プレゼント抱えて街をゆくときの気持ちのままで暮らしていたい天野慶

短歌の詩型は「5・7・5・7・7」。それはちょうどケータイの画面にぴったりの長さだ、と思いませんか?
テノヒラタンカは、ケータイ×短歌の草分け的サイトで、ケータイインターネットが普及しだしたかなり早い時期からサイト上で短歌の募集をはじめました。
画面いっぱいに、その魅力を伝えてくれます。

伝えたい言葉が飽和してるから今夜こんなに雪が降るんだ(ぽちうに/2005年12月のテノタン賞より)

優秀作は、テノタンイラストレーターさんの書き下ろしイラスト付きで発表されます*2
「コラボレーション」とは、異種の才能同士を戦わせること。短歌のサイトという意識から、歌が主でイラストが従のように見えるかもしれませんが、「イラストに負けない短歌」を詠むにはものすごくエネルギーがいることだと思うんです。
さながらジャズのセッションのように。ピアノが主役でも、サックスが主役でもなく、しかし双方の個性を消さないような演奏をするのが、どれだけ難しいことか。

可愛い本も発売されています。この本を開くたびに、出会いの奇跡を感じます。
ケータイ×短歌×イラスト、フラッシュ、音楽、本、イベント…、それらを「繋げる」、どんな「出会い」があったんだろう、と。
短歌は、出会いの詩型ですね。ちいさなケータイが胸ポケットで、奇跡の音を奏でます。

*1:私たちが行っている「歌クテル」の活動も、彼女達に大きく影響されました

*2:イラストの転載はできませんので、興味をもたれたかたはぜひサイトを見てくださいね