短歌日記:青春ロードムウビィ

2006年9月24日(日)、南房総へハイキングに行って参りました。遊びに、というより、修行?短歌修行の巡礼の旅のようです(笑)。目的地は鋸山日本寺。天候は快晴。メンバーは、A.I、長岡秋生、鳴宮玉環、蓮、の4名。

風そよぐ鋸山に立ちおれば低き山々秋の静けさ
ロープウェーで山頂へ。絶景であります。「ここで一首ね〜」となると、各々、ケータイを取出し、悩みつつ打ち込みはじめました。私たちの年代だと、メモがわりにケータイを使うのは一般的です。推敲も、漢字変換も、紙とペンを持ち歩くよりずっと楽なんですよ。
ちなみに短歌は4人の合作です。「1句目はこう」「語尾は変えようよ」など、わいわい話し合って決めました。

房総の切り立つ山に日差し浴びバンジージャンプロープはなしよ

600円の拝観料を払って、日本寺の境内へ。そんなに標高の高い山ではないのですが、見所がいくつかあります。ひとつずつ回って短歌を詠んでから次のスポットへ行くというルールに決まりました。。


【百尺観音】百尺の祈り刻みて岩切場風吹き抜ける青空の先
百尺観音を見るために、切り立った崖に挟まれた谷の道を通るのですが、そこがとても美しい道なのです。ファンタジーの世界に迷い込んだようでお気に入り。
風が少し冷たかったです。


【地獄のぞき】せり出した岩にすがりてにんげんを無垢へと戻す地獄のぞきよ
せり出した岩の先端に登れるようになっているのですが、A.Iは怖くてそこまで行けませんでした…。

【日本寺大仏】大きなる石の御仏はればれと下より見上げる長月の空
日本寺は、昭和初期に大規模な火災にあい、本堂など当時の建物のほとんどすべてが焼けてしまったのだそう。復旧は完全に終わっていません。
大仏様は岩肌に彫られ、ずっしりと座していらっしゃいました。
背景は、ただ、ただ、秋の空。今回の歌に「秋」「風」「空」などの句が頻出してしまったのですが、それだけ印象が深かったのですね。
秋の雲裾野におわす岩仏小さき我を見守れるかな


火災を焼けのこったという建物のひとつを、茶屋として解放していたので立ち寄ってみました。立ち居振る舞いの美しい老女が抹茶を点ててくださいました。お話をうかがうと、昔は住職の隠居用のはなれとして使われていた建物なのだそう。閉めきっていると建物が痛むので、土日だけ解放しているのだそうです。
庭も、眺めも、ものすごく美しい。
あきつ舞う茶屋に別れを惜しみつつ夕陽はそろりそろりと落ちた





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