ケータイ短歌の現場より(3) ツールから見るケータイ短歌の世代論
携帯電話のナンバーポータビリティ制度が、連日のニュースを賑わせています。ひとり1台は持っているのがあたりまえであると言われているケータイ電話。今日は、その、道具としてのケータイから「ケータイ短歌」を見てみたいと思います。
ケータイ短歌同人誌『歌クテル』のメンバーは、20〜35歳あたりの(比較的)若い歌人が中心で構成されています*1。A.Iは1979年生まれの27歳で、ちょうどメンバーの真ん中世代。この世代の、ケータイの親和度を示すキーワードを、時系列順に書き記すと、以下のようになります。文字色が反転しているところは「はてなダイアリー」の用語解説ページにリンクされています。クリックすると、詳しい解説が読めます。
【1979年生まれとケータイ電話の歴史】
今は、PCサイトもケータイの画面上で見られるようになりましたね。「家でパソコンでみればいいじゃん」ではなくて、持ち歩いて、電車の中でも、公園でも、どこでも「繋がる」というのが重要なんです。
新しいおもちゃを与えられた子供のように、私たちは新しいツールを自分流に使いこなすのに夢中でした。できることが限られていた初期の頃、数字を組み合わせていかにメッセージを伝えるかに頭をひねりました。なつかしいなぁ。
本来は、ビジネスツールだったはずなんです、ベルもケータイも。
それに、「おはよう」や「おやすみ」などという、意味のないつぶやきを電波に乗せるようになったのは、
私たちが今、ケータイで短歌を詠む動機と、無関係ではないと思う。
繋がっていたい。あなたと。
糸電話の糸が繋がる距離にいて いつでも声が聞こえるように(A.I)
*1:「ケータイ短歌」のラジオ投稿者のメインはもっと下の10代中心ですが、従来の短歌の世界「歌壇」では50代60代でも若者、という場らしいので、自分たちの位置付けは複雑です。「自発的に同人誌などを作り活動する」短歌サークルとしてはもっとも若い部類だとは思います