ケータイ短歌の現場より(5) うたう☆クラブ

当「ケータイ短歌の現場より」は、ケータイと短歌のかかわり・ケータイから投稿できる短歌サイトを紹介しているシリーズです。今回とりあげるのは、短歌研究社が行っている「うたう☆クラブhttp://www.mmjp.or.jp/TANKAKENKYU/clubutau.html)」という試み。ケータイサイトから短歌を投稿すると、プロの歌人さんからアドバイスをうけることができ、やりとりをしつつ歌を改作していくというものです。
選ばれた作品は、短歌の総合誌『短歌研究』の巻末に、横書きで掲載されています*1。目次から順に見ていくと、お堅い短歌の専門誌らしい特集が続くのですが、巻末に、ぽっ、と異世界があるような。『短歌研究』は、ライバル誌『短歌(角川書店)』よりも冒険心に富んでいて、若い歌人の発掘に力を入れているように思います。
とにかく、インターネットで作品を発表していると、感想もただの誉めあいになりがち。客観的にプロのかたのアドバイスを聞ける機会はなかなかないので、ケータイから気軽に投稿できるこのようなシステムが歌壇側から提案されていることを、一ユーザーとしてとてもうれしく思うんです。

がぁんがろとのどあめ噛んでしまうから風邪も治らずママの代役(黒須紗里菜)
 ―――『短歌研究2005年5月号』

▲この号は、知り合いが多数掲載されていて、個人的に思い出深い回でした。こっそりA.Iのうたもとりあげられていてびっくり。でも、無名の素人の未発表歌を本歌どりするのはいろいろ問題があると思うからやめようね。
がりがりとのど飴を噛み砕く夜ふり返るなよお化けが笑う(A.I)

*1:総合誌」というのは、短歌を総合的に載せている雑誌のことです。短歌界には「結社」というグループがあり、結社ごとに発行する「結社誌」があるので、それに対しての言葉だと思います。結社誌は一般では手に入りにくいですが、総合誌は大きな書店には入荷があると思うので、手にとってみてくださいな。